【ChatGPT】業務活用する上で知らないとヤバいリスク5つとその対策

今回のコラムでは、業務でChatGPTを利用する際の注意点とその対策について解説していきます。
また、過去の記事ではChatGPTを利用する際のリスクについても記事にしていますので、併せてご覧いただけると幸いです。

目次

情報漏洩のリスク

ChatGPTへの入力内容には、最新の注意を払う必要があります。
というのも、入力した内容は、のちにChatGPTの学習に利用される可能性があるからです。
実際に、ChatGPTを提供するOpenAI社の公式ページ※1にて、以下のように公表されています。

API以外のChatGPTとDALL-Eに入力したデータは モデル改善に使用する場合がある

引用:How your data is used to improve model performance | OpenAI Help Center

これは、「ChatGPTの回答精度をよくするために、皆さんの質問した内容を活用する」ということ。
そうなると、重要な情報を入力してしまうと、多くの利用者の目に触れる可能性も出てきますよね。
実際に、Amazon社は、サービス開始前のプログラムに似ている内容がChatGPTで生成されたと報告しております。※2

対策としてはChatGPTのAPIを利用しましょう。
OpenAI社によると、API経由のデータは学習には利用されず、情報漏洩のリスクを低減できます。

ただし、APIを経由する場合は、次の2点を考える必要があります。

  • APIの利用料
  • APIを利用するためのシステムや機能の考慮

まずは、APIの利用料について。これは、入力した文字数に応じて決まります。
例えば、「gpt-3.5-turbo」というAPIの種類の場合、1000トークンごとに0.002ドルが必要です。
トークンというのは、言語によってカウントの仕方が違うようで、日本語の場合は次のようになっています。

  • ひらがな1文字:1トークン
  • 漢字:2~3トークン

次に、システムや機能の考慮について。
APIを利用するためには、社内システムへの連携などを考える必要が出てきます。
例えば、Slack というチャットツールに、ChatGPT APIを利用したChatBotを組み込んでいます。

情報漏洩のリスクと、利用料金や工数などとのバランスを考えるなどして、活用しましょう。

※1 How your data is used to improve model performance
https://help.openai.com/en/articles/5722486-how-your-data-is-used-to-improve-model-performance
※2 Don’t Chat With ChatGPT: Amazon’s Warning To Employees
https://medium.com/inkwater-atlas/dont-chat-with-chatgpt-amazon-s-warning-to-employees-ce1dc2236a40

倫理的リスク

ChatGPTを利用する際、生成されたデータに不適切な表現が含まれる可能性があります。これは、ChatGPTがインターネット上のテキストデータから学習しているため、真偽や倫理性を判断できないことが原因です。

対策としては、次のことが考えられます

  • 生成されたデータの利用に関する社内ルールを作る
  • 確認プロセスを確立して常にチェックする

問題のある内容が生成された場合も同様です。
社内で改善できる体制を整えましょう。
これにより、倫理的リスクを低減し、効果的なChatGPTの利用方法を普及させることが重要です。

一方で、社内体制や規約を厳しくしすぎると、ChatGPTの利用に多大な社内コストがかかってしまうこともあります。利用目的や重要度に応じて規約や利用方法を考え、適切なバランスを取るよう心掛けましょう。

著作権侵害やプライバシー侵害のリスク

ChatGPTは、インターネット上のテキストデータを基に文章やプログラムを生成するツールです。
そのため、他人の著作物を模倣したり、プライバシーを侵害したりするリスクが存在します。
生成された文章やプログラムが既存のものに類似してしまう可能性があります。

ChatGPTから生成されたデータを外部に公開するときは、以下の2つを確認する必要があります。

  • 作られたデータが著作物を模倣していないこと
  • プライバシーを侵害していないこと

対策は次の4点です。

  • 社内ルールと確認プロセスの整備
  • 法律や規則の理解・遵守
  • 著作権やプライバシー保護の研修・教育プログラム
  • 類似サービスの活用

1. 社内ルールと確認プロセスの整備
倫理的リスクと同様に、生成データ利用に関する社内規約やルールを策定し、確認プロセスを整備することが重要です。
また、問題のあるデータが含まれる場合に改善できるプロセスを構築しましょう。

2. 法律や規則の理解・遵守
著作権やプライバシーに関する法律や規制を理解し、遵守することが不可欠です。特に、国や地域によって著作権法やデータ保護法が異なるため、対象市場や顧客の法的要件を把握することが重要です。

3. 著作権やプライバシー保護の研修・教育プログラム
従業員や関係者に対して著作権やプライバシー保護に関する研修や教育プログラムを実施し、意識を高めましょう。これにより、企業や組織はChatGPTを適切かつ安全に活用できるようになります。

4. 類似サービスの活用
BingのAI Chatのような、データの引用元が明記される類似サービスを利用することで、生成データの確認作業を簡素化し、著作権侵害やプライバシー侵害のリスクを低減できます。

これらの対策を実践することで、ChatGPTの持つ可能性を最大限に活かしながら、安全で信頼性の高いサービスを提供できるようになるでしょう。

虚偽情報を生成するリスク

ChatGPTは、誤った情報を回答する可能性があります。※3
これは、次のことが関係します。

  • ChatGPTは、インターネット上のテキストデータを学習して文章などを生成するツールであること
  • ChatGPT自身が、真偽や倫理性を判断できないこと
  • 2021年までの情報しか学習していないこと

対策としては、次のことが考えられます。

  • ChatGPTが偽情報や不正確な情報を回答することを念頭におく
  • ChatGPTの回答結果を利用する際の社内ルールを決める
  • 回答結果の確認プロセスを整備する

この他にも、社内での定期的な情報共有を行うことが、リスク低減に繋がります。

※3 ChatGPTを利用する上でのリスクと注意点
https://saasis.jp/2023/02/25/chatgpt%e3%81%ae%e5%88%a9%e7%94%a8%e3%81%99%e3%82%8b%e3%83%aa%e3%82%b9%e3%82%af%e3%81%a8%e6%b3%a8%e6%84%8f%e7%82%b9/

依存リスク

ユーザーがChatGPTを頼りすぎてしまうリスクがあります。
めちゃくちゃ便利なChatGPT。その存在はまたたく間に広まり、

  • メールの作成
  • 文章コンテンツの自動生成
  • 企業や市場調査
  • 企画立案

など、ビジネスのあらゆるシーンで活用されてます。
一方で、ユーザーがChatGPTを頼りすぎてしまうと次のようなことに繋がるのではないでしょうか?

  • ユーザーの創造性や批判的思考力の低下
  • 自己満足に陥る可能性
  • 人間の意見や批判的思考の重要性の見落とし
  • 間違った判断やブランドの個性喪失、コンテンツの平均化

こんな風にはなりたくないですよね。
対策として、次のようなものが考えられます。

  • AIが生成するコンテンツと人間の専門知識のバランスを保つ
  • 人間の判断と直感の価値を維持する
  • ビジネスプロセスにおけるAIの役割を定期的に見直し、評価する
  • 人間の努力を補完するように、人間とChatGPTの役割を明確化する

最終的な意思決定や創造性は人間が担う必要があります。これらの対策を実施することで、依存度を低減し、ChatGPTをより効果的に活用できるようになります。

最後に

今回のコラムではChatGPTを業務で使う際の注意点とその対策について解説しました。
ChatGPTを業務に活用するには様々なリスクが伴いますが、適切な対策や社内整備を行うことでより安全に業務で活用することが出来ます。
SaaSisではChatGPTを業務で活用する為のコンサルティングサービスを提供しています。
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